逆流性食道炎|山下消化器内科|吹田市の胃腸内科・内視鏡内科

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逆流性食道炎

逆流性食道炎|山下消化器内科|吹田市の胃腸内科・内視鏡内科

逆流性食道炎はどんな病気?

胃酸という強酸性の液体が食道に逆流して、食道の粘膜に炎症などを起こす病気です。症状としては、胸やけ、胸部の違和感、口の中の苦味(呑酸)、喉のヒリヒリ感、頻回のげっぷなどです。上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)で診断できます。胃カメラで食道粘膜にびらんや潰瘍などの粘膜傷害を認めるものを逆流性食道炎、粘膜傷害を認めないものを非びらん性逆流症(以下NERDと呼びます)と分けます。当院では内視鏡検査時にこの区別をしっかり行います。その理由は次に示す治療による効果が大きく違うからです。

逆流性食道炎の治療は?

胃酸をおさえる薬による治療を行います。プロトンポンプ阻害薬(PPI)と呼ばれる酸分泌抑制薬がよく使われます。その効果は高く、90%以上の粘膜治癒率と、約70%の症状消失率が得られます。薬物治療以外にも、減量(肥満は逆流しやすくなります)や逆流しやすい食品(カフェインを含むコーヒー、紅茶、緑茶、チョコレート)を避けるといった食生活の見直しも大切です。一方、NERDはPPIによる症状消失効果は40%くらいしかありません。NERDの病態は実は複雑なのです・・。

酸分泌抑制薬でも症状が改善しない時は?

PPIでも症状が残る時の大半はNERDです。NERDの病態には胃酸が原因であるものから、弱酸やアルカリ性でも症状が出るもの(食道過敏症)、逆流と関係のないもの(機能性胸やけ)、食道運動障害(食道アカラシア)、好酸球性食道炎など、多岐にわたる病態を想定しなければなりません。これらの診断には、より専門的な知識と経験が必要になります。山下は逆流性食道炎とNERDに関する多くの臨床研究と論文執筆をしています。さらに、日本の標準的治療を定めるガイドラインの作成メンバーでもありますので、最新の知見に基づき治療提案をさせていただきます。

意外と怖い逆流性食道炎

逆流性食道炎の合併症として出血とBarrett食道があります。Barrett食道は慢性的な胃食道逆流の結果として、下部食道の粘膜が変化する病気です。特に粘膜の変化が3cm以上になるものをlong segment Barrett食道(LSBE)といい、食道腺がんの発症リスクになりますので、定期的な胃カメラをお勧めしています。

酸分泌抑制薬はずっと飲んでも大丈夫?

逆流性食道炎の治療は酸分泌抑制薬ですが、お薬をやめると症状が出てしまうため、継続した内服を希望される患者様も多くいらっしゃいます。また「このお薬をずっと飲んでても大丈夫ですか?」と聞かれる患者様もいらっしゃいます。その質問は大変重要であり、専門家の中でも様々な意見がありますが、その質問に対する私たちの答えは「いいえ」です。酸分泌抑制薬は安全な薬ではありますが、継続的な胃酸抑制は腸内細菌叢が崩れ、その結果おなかのバランスが悪くなることがあります。近年、腸内細菌叢の乱れは認知症のリスクが上がることが示唆されていますので、最低限の胃酸抑制に止めることが求められています。当院での診察では適切な酸分泌抑制薬の使い方をご提案いたします。