膵癌
膵癌
膵臓の組織から発生する癌です。中年から高齢者に多く、男性にやや多いとされています(男性では膵癌予防のためには、禁煙が有効であることがわかってきています)。
膵癌は近年増加傾向にあり、この30年間で約3倍に増加しています。膵臓周囲は組織が乏しいため、癌が容易に周囲に浸潤しやすいとされています。
両親、兄弟姉妹、子どものいずれかで膵癌になった人が2人以上いる場合を家族性膵癌といいます。家族性膵癌の家系の人は、そうでない人よりも膵癌が発生するリスクが高いことが分かっていますので注意が必要です。
早期では症状に乏しく、癌が進行するまで無症状の事も多いです。癌が進行すると腹痛や背中の痛み、胆管に浸潤すると黄疸などが見られます。
膵臓は、胃の後ろにある、長さ20cmほどの細長い形をした臓器です。胃痛と思って胃カメラを受けて、「異常なし」と言われても、膵臓に病気が隠れていることがありますので、膵酵素のチェックや腹部超音波検査を追加して調べることが望まれます。
糖尿病治療中の方に膵癌が合併すると、急激に血糖値のコントロールが悪化することがあります。思い当たる原因がなく、糖尿病が悪化した時には膵臓の精査が望まれます。
採血で膵臓由来の酵素が高値であったり、腫瘍マーカー(CA19-9やCEA)が高い時には腹部超音波検査を行います。腹部超音波検査で異常所見がある時には、さらに腹部CTやMRI、超音波内視鏡検査を行います。
膵嚢胞から悪性化することがありますので、膵嚢胞がある方は定期的な検査が望まれます。
手術可能かは各種画像診断を踏まえて総合的に判断します。
手術ができないときは抗がん剤治療を行います。