大腸ポリープ
大腸ポリープ
大腸粘膜が限局的に隆起するものを総じて大腸ポリープと言います。大腸ポリープは組織の構造により腫瘍性ポリープと非腫瘍性ポリープ(過形成性ポリープ、炎症性ポリープ)に分けられます。大腸がんは良性の腫瘍性ポリープに段階的に遺伝子変化が起きて生じます。サイズが大きくなるとがん化するため、小さな状態での切除が望まれます。
腫瘍性ポリープの中には、主に腺腫性ポリープとsessile serrated adenoma/polyp(SSA/P)があります。腫瘍性ポリープでがん化する確率は、5mm以下では約0.5%、6-9mmでは約3.3%、10mm以上のものでは約28.2%と言われています。当院では一度の大腸内視鏡検査で観察と治療ができるように、日帰り内視鏡治療を行っています。
ADRはadenoma detection rateの略であり、内視鏡医がどれだけ腫瘍性病変を見つけることができるかを表す指標です。10人の患者様を検査して、3人で腫瘍性ポリープを見つけることができれば、ADRは30%になります。腺腫発見率が1%上がるとそのあとに発見される大腸がんの確率が3%下がると言われています。内視鏡医としては30%以上が求められますが、当院ではそれをはるかに凌ぐ60%前後を維持しています。
安全に治療できると判断した腫瘍性ポリープに対して、日帰りで内視鏡治療を行っています。比較的小さなポリープには単純にスネアをかけるポリペクトミーを行い、サイズが大きめのものに対しては、内視鏡的粘膜切除術(EMR)を行っています。ポリープのサイズと形態により適切な治療方法を選択しています。
私たちは細心の注意を払って観察を行っていますが、ポリープが大腸のヒダに隠れていたり、前処置が不良で便にポリープが隠れていることがあります。腫瘍性ポリープがあった場合、1年から3年での経過観察をお勧めしています。当院では検査の時期が来ましたら、お手紙をお送りしていますので、ご安心ください。