好酸球性食道炎|山下消化器内科|吹田市の胃腸内科・内視鏡内科

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好酸球性食道炎

好酸球性食道炎|山下消化器内科|吹田市の胃腸内科・内視鏡内科

好酸球性食道炎とは

食物や空気中の抗原に対する過剰な免疫応答が食道粘膜局所で生じることにより、好酸球を中心とした炎症が起こる結果、食道の狭窄や運動機能障害が引き起こされる病気です。嚥下困難(食物を飲み込みにくい、胸でつまる)を自覚する方での、好酸球性食道炎の頻度は5-16%とされています。またPPI抵抗性胃食道逆流症の3-4%に好酸球性食道炎が含まれていたという報告もあります。

好酸球性食道炎の症状は?

嚥下障害、胸のつかえ感、前胸部痛、胸やけ、嘔吐などが主な症状になります。
本邦で行われた好酸球性食道炎の実態調査では、26例が報告され、平均年齢は49歳(25-70歳)で男女比は20:6と男性に多く、約半数でアレルギー疾患(アトピー性皮膚炎、気管支喘息など)の併存を認めていました。

好酸球性食道炎の診断は?

症状からのみの診断は難しく、食道癌や逆流性食道炎との鑑別が必要になるため、胃内視鏡検査が必須です。内視鏡検査での所見として、縦走溝、白色滲出物、輪状狭窄、発赤が挙げられます。確定診断のためには、さらに生検を行い、食道粘膜内に好酸球の浸潤を確認する必要があります。しかしながら、本邦での調査では、42%の症例において内視鏡検査で異常を認めていなかったため、一見正常に見える粘膜でも、胸やけや嚥下困難などの症状がある場合には積極的に生検を行うことが重要とされています。

好酸球性食道炎の治療は?

食道でのアレルギー反応が原因であるため、治療の第一選択はステロイド局所療法になります。
気管支喘息に用いられる吸入ステロイドを嚥下するのが一般的です。またPPIなどの酸分泌抑制剤が有効である症例もあります。
好酸球性食道炎は慢性疾患ではありますが、予後良好であり、悪性化の報告はありません。