胃ポリープ・胃粘膜下腫瘍
胃ポリープ・胃粘膜下腫瘍
胃ポリープは粘膜上皮の隆起性病変で、肉眼的総称になります。健診の胃バリウム検査で指摘されることもあります。通常は無症状ですが、ポリープの種類を診断するために胃カメラが必要になります。
ピロリ菌感染が原因で起こる良性ポリープです。ピロリ菌治療により縮小または消失することがあります。基本的には切除する必要はありませんが、20mm以上の大きいものや、出血の原因になっている時には入院で内視鏡的に切除を行います。
正常構造である胃底腺が拡張することで生じるポリープです。治療を要することはありませんが、酸分泌抑制薬を長期に内服するとサイズが大きくなったり、数が増えることがあります。
病変が胃粘膜の下(胃壁の中)に存在し、胃の内腔になだらかに突出している形態のものを総称して胃粘膜下腫瘍と呼びます(図1,2)。正常の粘膜に覆われているため、通常の胃カメラでは奥に何が潜んでいるのか分からないのです。フルーツ大福をイメージしてください(図3)。フルーツ部分が腫瘍になり、大福の皮が粘膜です。大福の表面から中身がわかりません。食べてみて(精密検査をして)初めて中身がわかるのです。
図1
図2
図3
治療不要な良性病変から、治療を要する悪性病変まで様々なものがあります。最も頻度が多いものはGIST(Gastrointestinal stromal tumor:消化管間質腫瘍)です。その他、平滑筋腫、脂肪腫、嚢胞、迷入膵、神経鞘腫などがあります。10mm未満の粘膜下腫瘍の多くはそのまま経過観察可能ですが、10mm以上の場合は病院での精密検査(超音波内視鏡)をお薦めいたします。急激なサイズの増大や形態の変化(潰瘍形成)は精密検査の対象になりますので、原則1年に1回の胃カメラによる経過観察が必要です。